福祉 welfare 2003 11 7
最近の福祉の流れは、「収容福祉」から「在宅福祉」へと変りつつあります。
今までの福祉は、障害者は福祉施設に収容すればよいという「遅れた福祉」でした。
欧米諸国に比べれば、遅れた福祉で、ひどい福祉です。
障害者は、家族に迷惑をかけたくないから、やむなく、福祉施設に入所したのです。
本当は、障害者も、地域で暮らしたいし、家庭で暮らしたいのです。
最近になって、やっと、在宅福祉に変りつつあります。
しかし、ここで問題があります。
在宅福祉へ転換する理由には、2つあります。
ひとつは、純粋に、障害者のためを考えて、在宅福祉へ転換する。
もうひとつは、財政負担を軽くするために、在宅福祉へ転換する。
なぜかと言えば、障害者を福祉施設に収容すると、
国や地方公共団体の財政負担が、大きく、かかります。
国や地方公共団体の財政負担を軽くするために、
障害者を施設から出したいという側面もあります。
もちろん、在宅福祉サービスを充実させるならば、問題ありませんが、
現状では、あまりに在宅福祉サービスが貧弱です。
障害者を福祉施設から出して、地域に戻すならば、
まず最初に、在宅福祉サービスを充実させてから、実施すべきでした。
結局、結果的には、在宅福祉へ転換する理由は、
国や地方公共団体の財政負担を軽くすることが、主たる目的となってしまいました。